囲炉裏とランプと露天風呂

◇9月、伊豆湯ヶ島の温泉研修別荘によんでいただいた。砦の跡のような山間、石垣の跡、適度な起伏、幅5間ほどの川、自然の要害といった地形、100坪ほどの古民家が2棟。高い天井、大きな梁、別棟の釜や、囲炉裏、つなげば100坪を越える大広間、二つの露天風呂、こつこつと創り上げが続いている。
・11時集合、囲炉裏を囲み仲間15人で昼飯、地元の野菜と魚に一品持ち寄りを加えて飲み放題、いい気分で大広間でのごろ寝、堪え切れない時間と空間だった。談論風発、あっという間に夕方5時、最高の日帰り勉強会だった。
 この主は御殿場で合宿センター「時の栖」を経営している庄司清和さん。「時の栖」は庶民の心身健康にお役立ちしようと庄司清和さんが創った巨大なリクリエーション合宿センターである。彼のところにはいろいろな物件が持ち込まれる。彼はそれらを庶民の心身健康へのお役立ちに使おうというねらいで再生している。
 湯ヶ島は個人の施設であり営業はしていない、仲間に開放している。露天風呂に浸りながらノーブリスオブリッジという言葉を思い出した。ヨーロッパ人のプライドを表す言葉である。人より恵まれている人は率先して社会に対して義務を負う責任がある、という思想である。庄司清和さんは事業家として稀有な人だと思ってきたが、事業家としてだけでなくこのような思想を持って毎日を生きているのではないかとイメージしながら露天風呂を出た。
 お世話になっている経営トップの方々と一品持ち寄りで囲炉裏勉強会でもやりたいなと思った。この合宿別荘には電灯がない。灯りはランプである。ランプの灯を囲みながら「これから」を語りあうのもまた一興、楽しみです。

◇◆◇◆◇◆IDR 会長 三浦 功